鞆の浦の対岸に悠々と浮かぶ仙酔島。「仙人も酔ってしまうほど美しい島」というのが名前の由来といわれています。日本で最初に国立公園として指定された『瀬戸内海国立公園』を代表する景勝地である鞆の浦には、仙酔島、弁天島、玉津島、津軽島など大小さまざまな島が散在。『福禅寺 対潮楼』を訪れた朝鮮通信使は、その景色にいたく感動し、「日東第一形勝(対馬から江戸までの間で最も美しい景勝地)」と賞賛しました。
豊かな自然、そして火山活動によって生まれた怪岩奇石に富んだ仙酔島は、情緒豊かな町なかとは異なる魅力にあふれ、大自然のエネルギーを感じられる場所です。

 

8月8日の台風9号の波浪による被害のため,五色岩に続く仙酔島海岸線遊歩道は,当分の間,全面通行止めにします。落石も発生しており危険なため,歩道内には立ち入らないでください。山側からの迂回ルートも通行止めにしています。ご理解とご協力をお願いします。
※現時点で解除予定時期は未定です。

関係問合先
環境省 中国四国地方環境事務所 広島事務所(電話:082-223-7450)
福山市観光課(電話:084-928-1042)


海を眺めながら緑の山道をトレッキング

市営渡船「平成いろは丸」に乗って5分ほどで仙酔島に到着。小さな島ですが、登山が楽しめる大弥山(おおみせん)や、御膳山、仙人ヶ丘、赤岩、烏ノ口といった高台の展望スポットがいくつもあり、多彩なコースでトレッキングを楽しめます。渡船場から近い御膳山展望台は、鞆の浦の町並みが一望できる絶景スポット。島の奥へと進むほど森林密度は濃くなり、海辺であることを忘れてしまうほど。木々の切れ間から時折見える海の美しさも格別です。

怪岩奇石が連なる海辺の遊歩道

数千万年前の大規模な火山活動によって形成されたとされる仙酔島。島の西端から南の海岸線をなぞるように遊歩道が整備されており、波音を聞きながらウォーキングを楽しめます。遊歩道を歩いていると目に入るのが、異なる色が層を成す岸壁。『五色岩(ごしきいわ)』と呼ばれる5色の地層で、全国でもここにしかないといわれています。また島内では、大小200ヵ所もの海食洞(かいしょくどう)を見ることもできます。

島ならではのアクティビティも満載

仙酔島は豊かな自然が残る無人島ですが、島内にはホテルや国民宿舎、キャンプ場があり、海水浴やバーベキューはもちろん、海ほたるの鑑賞やクルージングを楽しむツアーなども開催されています。地元の人にとって定番の海水浴スポット『鞆の浦海水浴場』は、貸桟敷・貸パラソル・シャワー・更衣室などが整備されているので、快適に夏のアクティビティを満喫できます。『国民宿舎 仙酔島』のレストランではゆっくり食事も楽しめます。

海上で繰り広げられる初夏の風物詩『観光鯛網』

鞆の浦の初夏の風物詩『観光鯛網』の出発地もここ仙酔島。江戸時代初期の鞆の浦で生まれた「鯛しばり網漁法」という伝統的な漁を海上で再現します。約50人の船団がひと組となり、色鮮やかな大のぼりを掲げた6隻の船で海に乗り出す姿は壮観! 漁を終えた船は鯛の即売所に早変わりし、その場で捕れたての鯛が販売されます。

百貫島伝説が伝わる『弁天島』

朱塗りの弁天堂が建っていることから地元では「べんてんさん」の愛称で親しまれる弁天島。正式名を「百貫島」というこの島には古来より伝わるある伝説が。
鎌倉時代、鞆を訪れた近江の武将・藤原正道が仙酔島に渡る途中で家宝の刀を海に落としてしまいます。銭百貫と引き換えに海底に沈んだ刀を取ってきてくれと頼むも、サメが出る危険な海域のため誰も行こうとしない。「海士の里と聞いたが、一人の勇者もいないとは!」と罵る正道に対し、ある若者が鞆の名誉のために名乗りを上げます。やがて海底から宝刀を手に上がってきましたが、若者は足を食いちぎられ命を落としてしまいました。正道は自分の行いを悔い、この若者を供養するため、銭百貫で十一重の塔を建てた……。
伝説ではあるものの、勇気ある若者の心意気は今も鞆の人たちに脈々と受け継がれているように思えるから不思議です。

仙人も酔いしれる、美しの島でゆるっとトレッキング – 仙酔島

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