鞆の浦の歴史と町並みを散策

港町・鞆の浦には、古い建物をリノベーションしたカフェや雑貨店などが、江戸時代の趣を残した情緒ある町並みの中に点在しています。
ここでは、鞆の浦観光では絶対外せない定番スポットや話題のお店に立ち寄りながら町歩きを楽しむモデルコースをご紹介します。


行き交う船を眺めながら至福のカフェタイム

鞆の浦と仙酔島を結ぶ渡船の発着場、『福山市営渡船場』の2階にある『カフェ&ギャラリー SHION』で1日をスタート。
店内からは弁天島や仙酔島はもちろん、天気の良い日は四国まで見渡すことができます。
穏やかな瀬戸内の海と行き交う船をのんびり眺めながら、オリジナルブレンドコーヒーや広島産のみかんを使った甘酸っぱいみかんジュースをいただく至福のひとときを過ごして。

カフェ&ギャラリー SHION
住所/広島県福山市鞆町鞆623-5 福山市営渡船場2F
電話/084-982-2116

展望カフェ&ギャラリー SHION


息をのむ美しさ!絵画のような絶景にうっとり

渡船場の道路を挟んで反対側を見上げた先、重厚な石垣が印象的な高台に悠々と建つ『福禅寺 対潮楼』は、鞆の浦の景観の美しさを語る上で欠かすことのできない場所。
畳の上に座って外を眺めると、窓枠を額縁に見立てた見事な景色が広がります。1711年、鞆の浦に立ち寄った朝鮮通信使が「日東第一形勝」と讃えたのも納得の美しさです。

福禅寺 対潮楼
住所/広島県福山市鞆町鞆2
電話/084-982-2705

絵画のような絶景を前に写経体験 – 福禅寺 対潮楼


保命酒誕生の地で港町の歴史に想いを馳せる

常夜燈へと向かう小路の途中にある『太田家住宅』。大きな杉玉が揺れるここは、鞆の浦の特産品である「保命酒(ほうめいしゅ)」誕生の地とされている場所です。
母家を囲うように保命酒蔵が並び、往時の構えをそのまま残していることから国の重要文化財にも指定されています。
貯蔵用の大きな甕(かめ)や木桶などの展示からは当時の醸造風景が思い起こされ、ぜひとも保命酒を飲んでみたいという気分になります。
(日本遺産「福山・鞆の浦」構成文化財)

太田家住宅
住所/広島県福山市鞆町鞆842
電話/084-982-3553

鞆の薬味酒・保命酒はここで生まれた!「太田家住宅」


築150年超の古民家カフェでちりめんパスタに舌鼓

鞆の浦のシンボル、常夜燈まで歩いたらひと休み。『鞆の浦@cafe』で待ちに待ったランチタイムです。
築150年を超える長屋の趣をそのまま活かした店内で味わえるのは、地元産の魚介類や野菜たっぷりのパスタ。おすすめは、「ちりめん」と「あみえび」を使ったペペロンチーノです。
ドリンクをテイクアウトして、店の目の前にある雁木に座って海を眺めるのもオススメ。

鞆の浦 a cafe(とものうらアカフェ)
住所/広島県福山市鞆町鞆844-3
電話/084-982-0131

鞆の浦 a cafe


鞆をモチーフにしたユニークな紙雑貨を発見

坂本龍馬が「いろは丸事件」の際に宿泊した『龍馬の隠れ部屋 桝屋清右衛門宅』。その入り口をくぐった土間スペースに『瀬戸内小物と暮らしの雑貨 MASUYA』があります。

中でもひと際目を引くのが、鞆の浦をモチーフにした手ぬぐいやポストカードなどの紙雑貨。常夜燈や鯛をモチーフにしたポストカード、サヨリのイラストを活版印刷で一枚ずつ手刷りしたレターセットなど、どれも色違いで手に入れたくなる愛らしさです。

瀬戸内小物と暮らしの雑貨 MASUYA
住所/広島県福山市鞆町鞆422
電話/084-982-3788

瀬戸内小物と暮らしの雑貨 MASUYA


女心をくすぐるカラフルなアジアン雑貨

カラフルなバッグやポーチに魅せられて足を踏み入れてみると、アクセサリーやストールなどのファッション小物が所狭しと並ぶ華やかな空間が広がります。

『彩華』で販売している雑貨の多くは、オーナーがベトナムで直接買い付けたもの。あれもこれもと手に取ってしまうほどキュートなグッズが揃う、地元民ご用達のお店です。

彩華(さいか)
住所/広島県福山市鞆町鞆427
電話/なし

彩華


麹から手作りするこだわりの保命酒をお土産に

1886年創業の『入江豊三郎本店』は、鞆の浦に4軒ある「保命酒」の蔵元のひとつ。
独自の製法で作られる保命酒はもちろん、本味醂や保命酒のど飴などが並びます。
保命酒の試飲や一部商品の試食もOK。ひと口飲んでみると、とろけるような甘さと生薬の滋味深く爽やかな香りのトリコに! アイスクリームにかけたり、サイダーで割ったり、アレンジレシピを味わうのも楽しそう。

江豊三郎本店
住所/広島県福山市鞆町鞆534
電話/084-982-2013

入江豊三郎本店 本店


大人買いもまた楽し!昔懐かしい駄菓子屋さん

地元食材を使ったおむすびやお弁当が並ぶ『鞆の浦 小腹満たし処 あこう屋』の軒先で、駄菓子コーナーを発見。
地元の方がボランティアで運営しているため、駄菓子コーナーの営業日や時間は特に決まっていないとのこと。
昔懐かしい駄菓子を選んで手渡すと、手作りのショッピングバッグに入れてくれます。この袋も大切な想い出の一つになりそう。

店のオープン日には地域のお年寄りや子どもたちが自然と集まる憩いの場になっている様子。地元っこたちの元気な声が聞こえたらぜひ立ち寄ってみて。

鞆の浦 小腹満たし処 あこう屋
住所/広島県福山市鞆町鞆528
電話/090-1339-2337

鞆の浦 小腹満たし処 あこう屋


当時の面影を残す商家で江戸時代にタイムスリップ

江戸時代末期に建てられた商家らしい間取りの母屋と機能的な土蔵が、当時の鞆の町家の典型であるとして、市の重要文化財に指定されている『鞆の津の商家』。

番頭が座る帳場に置かれた、鉄製の小物や調度品、年季の入ったそろばんなどの商売道具、中の間にある火鉢や箪笥階段を見ていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分に浸れます。

「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている、江戸時代から戦前までの伝統的建造物が数多く残る鞆の浦。江戸時代の町屋と明治以降の近代建築が溶け合い調和した町並みを眺めながら散策してみては?
(日本遺産「福山・鞆の浦」構成文化財)

鞆の津の商家
住所/広島県福山市鞆町鞆606
電話/084-928-1117(福山市文化振興課)
開館時間/土日祝10:00〜16:00


鞆の津を見渡す船番所跡に立つ絶景の茶房

江戸時代に港を出入りする船の安全を監視する場所だった船番所跡に建つ『茶房 船番所』。江戸時代後期に積み上げられたという石垣が今なお残され、重厚な雰囲気が漂います。

石段を上がり、店内へ足を踏み入れた先に広がるのは、鞆の港を見渡す絶景! 波止(はと)には漁船が繋がれ、空にはカモメやトンビがスーイと飛んでいます。

夕暮れ時、刻一刻と表情を変える贅沢な景色を独り占めしながらいただくのは、焼き立てのワッフルや香り高いコーヒー。
江戸時代からほとんど姿を変えていないという港を眺めながら、しみじみと味わってみてください。

茶房 船番所
住所/福山市鞆町鞆18
電話/080-8048-7121

茶房 船番所


国内最大級! 石造りの波止(はと)で海上散歩

船番所の目の前に、石造りの波止が海に向かって長く延びています。波止とは強風や高波から船や港を守るために設置されたもので、江戸時代から幾度となく造営を繰り返して完成しました。石造りの波止としては国内最大級です。

100m以上ある波止の上を歩いてみると、まるで海の上を散歩しているような気分が味わえます。
(日本遺産「福山・鞆の浦」構成文化財)


本場仕込みのタパスとワインが待つスペインバル

本場仕込みのスペイン料理をつまみにスペインワインを堪能できるバル『MIL GRACIAS(ミル・グラシアス)』。

まろやかな自家製マヨネーズが決め手のスペイン風ポテトサラダ、彩鮮やかな野菜と魚介のマリネ、ジューシーなスペイン風肉団子、ハモン イベリコなどのタパス(小皿料理)はどれも美味しくて、ついつい飲み過ぎてしまいそう。

異国情緒溢れる店内は居心地が良く、女性ひとりでも訪れやすいのがうれしい!

MIL GRACIAS
住所/広島県福山市鞆町鞆987
電話/080-5235-4897

MIL GRACIAS(ミルグラシアス)


そのほか、温泉やトレッキングなど鞆の浦をアクティブに楽しむコースや鞆の浦の歴史をより深く学ベるコースもご紹介しているのでぜひご覧ください。