沼名前神社能舞台
鞆の浦の町と海を護る『沼名前神社』

沼名前神社は、鞆の浦を代表する神社です。
海の神である大綿津見命(おおわたつみのみこと)を祀る『渡守(わたす)神社』と、日本の三貴神の一人である須佐之男命(すさのおのみこと)を祀り無病息災を祈願する『祇園社』が明治時代に統合され、沼名前神社となりました。海上安全や漁業繁栄、家内安全、病気平癒、学業成就、安産等のご神徳があるといわれています。
神社の境内には、かの豊臣秀吉が将兵らのために造ったといわれる組立式能舞台があります。この能舞台は京都・伏見城が廃城となったとき、二代将軍の徳川秀忠から福山城主の水野勝成に譲り渡され、のち1650年代に現在の沼名前神社である祇園社に寄進されました。当初は分解・移動ができる組立式でしたが、現在はこけら板の葺き、楽屋、鏡の間、橋掛りが常設され、固定されました。1953年には国指定重要文化財となり、現在でも能楽祭の舞台として使用されています。