『走島汽船切符売場』の隣にある日用品とおでんのお店『平井商店』。練炭火鉢で煮込まれたおでん=関東煮(かんとだき)は、ざらめを加えて甘辛く仕上げた優しい味が人気。どれも100円前後と手頃で、店頭で販売されているジュースやお酒と一緒に楽しむこともできます。


走島行きのフェリーを待つ地元民の憩いの場

「鞆に来たら“かんとだき”を食べにゃ~」と言われてやってきたものの、居酒屋も食堂も見当たらず……。鞆港の周りをウロウロしていると、“おでん”と書かれた赤提灯の下からタッパーを抱えたおかあさんが出てきました。走島行きのフェリーが発着する鞆港の東側。常夜灯のちょうど向かい側に見えるオレンジ色の庇が『平井商店』の目印です。

店の奥で発見! 朱色の火鉢とレトロな鉄鍋

食料品、切り花、漫画や雑誌、洗剤などの日用品が並び、ここが地域を支えるよろずや的存在であることをうかがわせる店内。勇気を出して店の奥へと足を踏み込んだ先にあったのは、朱色の練炭火鉢と真っ黒な鉄鍋。これが、知る人ぞ知る隠れた名物「関東煮(かんとだき)」です。

ざらめの甘みが溶け出した懐かしいおいしさ

大きな木のふたを開けると、ほわ~んと上がる白い湯気とともに甘い香りが漂います。真っ黒な煮汁のなかには、大根、厚揚げ、牛すじ、丸天がプカプカ。鍋の底は見えませんが、どうやら玉子やこんにゃくもどっさり入っているみたい。
「今日は具材を途中で追加しとるけぇ、染み具合が選べるよ」とお店の方。迷わず「真っ黒でしみしみのやつください!」とお願いしました。味が濃そうに見えますが、醤油の味はまろやか。懐かしくなるような甘みが広がります。この黒い色の秘密は「ざらめ」。特注しているという鉄鍋の底でざらめが焦げて、最初は透明だった煮汁が飴色、そしてほとんど黒に近い色へと変化していくのだとか。かんとだきはイートイン、テイクアウトどちらもOK。タッパーや小鍋を持参すれば、煮汁もたっぷり入れてくれます。

ローカルに混ざってディープな憩いのひとときを

『走島汽船切符売場』の隣ということもあって、フェリーが来るまでの時間をここで過ごす人も多く、テーブルでは店内で販売されているジュースやお酒をいただくこともできます。関東煮(かんとだき)はどれも100円前後と手頃ゆえ、『平井商店』は、地元の人にとって角打ち的な存在。ご近所さんに混ざって、昼から一杯……なんて楽しみも旅の醍醐味です。


平井商店
住所/広島県福山市鞆町鞆781
電話/084-982-1755
営業時間/7:00〜19:00
定休日/無休
駐車場/なし