シーカヤックから見えたもうひとつの鞆の浦 – 村上水軍商会

海抜ゼロメートル。海面と同じ高さで、鞆の浦を体感できるシーカヤック。カヤック歴30年のベテランガイドが丁寧にレクチャーしてくれるから、初心者でも安心してチャレンジできます。「仙酔島一周3時間コース」5,000円、「海ホタル＆夜光虫ナイトツーリング」8,000円、「阿伏兎観音1dayツーリング（昼食付）」10,000円などプランはさまざまで、目的地、時間、予算に合わせて選べます。

カヤック歴30年のベテランガイドがレクチャー

一抹の不安とともに漕ぎ出したカヤックは、予想に反してスイーッ、スイーッと進む。「力を抜いて、ゆっくりパドルを漕げば大丈夫」「考えるな、感じろ！」そう言って朗らかに笑うガイドの村上さんにつられて、こちらまで笑顔がこぼれます。

せっかく海辺に来たのだから、特別な体験がしたい！と訪れたのは『村上水軍商会／カヤッカーズカフェ』。カヤック歴30年のベテランガイドであり代表の村上泰弘さんが丁寧にレクチャーしてくれるから、初心者でも安心してチャレンジできます。鞆湾の雁木周辺に集合し、いざシーカヤックに乗船！

雁木のある鞆湾から仙酔島一周の旅へ

まずは、ひっくり返ってしまったときの対処法や注意事項などの説明を受け、陸地でパドルを漕ぐ練習をします。「本当に進むんだろうか」「ひっくり返ったらどうしよう」そんな不安を感じつつも、いよいよ船出のとき。

緊張でカチンコチンになっている私に、村上さんから「背すじを伸ばして、体で波を受け止めるようにしてごらん」とアドバイス。すると、最初は恐怖でしかなかった波の揺れが、心地よさに変わっていきます。パドルを漕ぎ、常夜燈を横目に見ながら鞆湾の外側へと漕ぎ出します。

今回は、弁天島を通り過ぎて、仙酔島を一周するショートコース。弁天島の石塔婆や弁天堂を間近で眺められるのもシーカヤックだからできること。渡船では見ることのできない、仙酔島の岸壁も見ごたえがあります。

途中、シーカヤックでしか行くことができない秘密の浜辺でひと休み。村上さんが用意してくれたコーヒーとおやつでティータイムです。たき火を焚いて食事を作ったり、夏なら泳ぐこともできるそう。驚くほど透明度が高い海水を眺めながらのんびり過ごすひとときは、瀬戸内海の美しさを再認識できる時間でもあります。

海と一体になる“海抜ゼロメートル”の世界

仙酔島を一周するころには海にもカヤックにも慣れ、いつの間にか肩の力が抜けていることに気づきます。波に負けないよう必死に漕ぐのではなく、海と一体になり、波の力を借りて進んでいく。「Don’t think , feel！」村上さんが言っていたのはきっとこういうこと。磯の香り、軽やかな水音、波に漂う浮遊感……。
海抜ゼロメートルのカヤックで過ごせば、日頃の疲れや悩みやアレコレをすっかり忘れてしまいます。
鞆湾へと向かう帰り道は、海から眺める鞆の町並みや常夜燈の美しさも格別！鉄道も車もなかったころ、古の人々が船から眺めた景色もこんな風だったのかなと、歴史ロマンを感じずにはいられません。