鞆の浦の観光マップを見ていてまず驚かされるのが、お寺や神社の多さ。小さな町の中には19のお寺と数十社の神社が点在し、「どこを歩いても寺や神社にぶつかる」といわれるほどです。小さな範囲にこれほどの数が密集している地域は珍しく、神社仏閣巡りにはもってこいの町。

特にお寺が密集しているのが町の北側。『備後安国寺』『正法寺』『慈徳院』『顕政寺』『妙蓮寺』など各宗派のお寺が連なり、沼名前神社の参道へとつながっています。これは、江戸時代初期に鞆城を築いた福島正則が、城下町整備の一環として寺町筋を造営したことがきっかけ。かつてお寺には砦として城を防御する機能が求められていました。鞆城を外敵から守るため、わざわざ移転させてまで城の北側にお寺を集めたのです。

お手火神事が行われる『沼名前神社』や、『小烏神社』の「ふいご祭り(たたら祭り)」をはじめ、恒例のお祭りが季節ごとに開催される鞆の浦。坐禅会や写経会など、修行体験ができるお寺も多くあります。賑やかで楽しいアクティビティも良いですが、お寺での修行体験を通して、旅の途中に自分の心と静かに向き合うひとときを過ごすのもオススメです。


寺町筋
住所/広島県福山市鞆町一円