淀媛神社は鞆町平一丁目という地区にある小さな神社で「淀媛さん」と呼ばれ、平の人々に親しまれています。鞆にゆかりの深い神功皇后(じんぐうこうごう)の妹である淀媛を祭神として、古くから鞆の平地区の人たちを守る神として祀られています。
明神山と呼ばれる高台に位置するため、鞆の港が一望できる境内からの眺めは最高で、江戸時代の歴史家・頼山陽が褒めたたえたとか。
この神社祭礼は旧暦7月7日(現在は8月第1土日)に行われます。
祭りの当日には平町の住民によって結成された「大明神・瓦屋組」「中組」「田之平」(現在平一丁目~三丁目)で廻し神輿と飾り神輿の2体を担ぎだし、こども達が担ぐこども神輿と共に太鼓のリズムと神輿ばやしに合わせて町中を練り歩きます。その後神輿は荒神社へ向かい「お仮屋」で一晩過ごし、翌日「淀媛神社」へ還っていきます。かつては各組の若者が廻すのを競い合い、廻していた神輿を投げて喧嘩を始めてしまうことから「平の投げ神輿」と称されていました。祭りの最後には、神輿を本殿へ還そうとする者とそれを止めようとする者とのせめぎ合いの後、神輿の頂にある鳳凰が外されると、皆本殿に還り祭が終わります。
鞆の浦の「淀媛神社例祭」は俗に「ダンゴ祭り」とも呼ばれていて家々の台所では、お団子が作られます。
もち米とうるち米を半々に混ぜ、蒸籠で蒸したものを木臼でついて小さな丸餅状に。そしてその中央を指で窪ませ餡を詰めて平独特の祭り団子の出来上がりです。この団子を親戚や知人に配っていたことから「ダンゴ祭り」とも呼ばれます。
また、七夕と重なることから七夕飾りが町内に飾られ、神輿の巡行に彩を添えます。そのためこどもたちには七夕の飾りつけという、楽しい仕事が任されます。
松の若木や赤提灯で飾り付けられた往来を練り歩く神輿を見物し、淀媛神社を参拝。その翌朝、七夕の笹は平港の波止から海に流されていたそうです。
七夕とも結びつきの強い淀媛神社の例祭です。
只今、鞆てらすにて上月ひとみさんの作品「ダンゴ祭り絵巻」を展示中です。こちらも是非ご覧ください。
日時:8月2日(土曜日)~8月3日(日曜日)
場所:淀媛神社